政治の話はあまりしたくないですし、私はあまり政治に詳しくないです。
それをまずはご了承ください。
そのうえで、この話をします。
日本の状況と、ヨーロッパ各国の精神性についてです。
日本はあくまで「経済先進国」にすぎない。
日本は不況が続いていますが、それでも先進国の1つとして世界から一目置かれ、国民はそのプライドを持っています。
しかし客観的事実として、日本は「経済先進国」にすぎません。
「経済力においては先進国にある」ということです。ビジネスに貪欲で、お金を動かす力が強く、その額が世界でもトップクラスにあります。
ヨーロッパ先進国は、精神的にも成熟している。
ヨーロッパの先進国は、日本とはやや様子が違います。
世界でトップクラスの経済力を持つ点は同じですが、経済力だけでなく精神性が大人びています。そのような落ち着いた国々が、「先進国」として躍進しています。
彼らは経済において世界トップクラスですが、しかしお金を稼いで裕福になることに、そんなに躍起になっていません。お金は生活が回るほどにあれば充分で、もっと精神的な充足にこだわりを持っています。社会の平和や助け合いに興味が強く、そのために自分も協力しようとします。自治会に積極的に参加する感じです。
賃金労働だけでなく、芸術や異文化探求に強い興味があり、そうした感性によって生活をカラフルに彩っています。だから彼らはオシャレですし、成熟した大人の香りがするのです。
日本は、精神が育っていない。
日本はそれに対して、精神があまり育っていません。
お金やぜいたく、快楽にばかり夢中で、社会の助け合いにはまるで興味がありません。「誰かに助けてもらえばいいや」「国が助けてくれるべき」と皆が思っており、自分は助けようとはしないのです。
男性に養ってもらおうと考える女性は、特にこの傾向があります。
オシャレなものが大好きですが個々人の芸術性が高いわけではなく、異国の文化や歴史への好奇心も乏しいです。
自国の文化についても、文化というよりは古民家カフェのような風情を楽しんでいるだけです。
中国と日本は似たり寄ったり。
日本が客観的に見てどのような国であるかは、中国を見るとわかります。
(やや中国への批判的な内容になりますが、中国を批判したいわけではないので寛大に読んでください。)
あなたは今の中国を見てどう感じますか?
経済力は日本に匹敵するくらいにまで成長しました。
経済的には先進国とそん色ないですが、しかし中国を他のヨーロッパの先進国と同じ雰囲気だと感じますか?おそらく、感じないでしょう。
「爆買い中国人」に象徴されるように、裕福にはなっていても、ぜいたくや快楽に夢中で、下品な感じがします。海外旅行をしても、ぜいたくの消費ばかりに夢中で、異国の伝統文化を学んで楽しむような知性は感じられません。
最新の炊飯器など、珍しくて便利なものを欲しがります。
集団で旅行をし、大声でしゃべり、笑い、周囲の迷惑を考えていません。
そのような旅行を提供してくれる、経済的に豊かな男性にばかりついていきます。そして旦那はサイフ係にすぎず、夫婦が愛し合っている様子はありません。
ヨーロッパや他の国から見れば、日本人もこのような感じの印象を持たれています。経済力に優れビジネスに貪欲ですが、ぜいたく主義・快楽主義で下品な感じです。
日本人は中国人よりも清潔で、おとなしいですが、全体的に見れば中国人と同じような感じなのです。
あなたはおそらく、中国人に対して、「経済力はあるけれど、先進国民という感じではないな」と感じているでしょう。日本人も、そのような感じです。
経済力すら危うくなっている。
今の日本は、経済力ですら先進国の一翼を担えなくなりそうな雰囲気です。
ゆとり世代の無気力さが揶揄されて久しいですが、彼らは経済や工業を発展させようとがんばる気概は乏しいです。日本の経済成長を支えてきた団塊世代・バブル世代が定年を迎えると、経済や工業製品でトップを走るのも難しくなるでしょう。
社会派な人々が迷走している・・・
経済先進国のレッテルがもはや過去のものであると気付いている大人は多いです。彼らは、「このままじゃ先進国でいられなくなる!」と危機感を感じており、社会を動かそうと躍起になっています。
しかし、こうした社会派な人々はもっぱら、「経済力を伸ばす」ことにしか頭にないのです。今の中国と同じような、経済的金銭的発展を進めようと躍起になっています。
これは、日本大衆のぜいたく主義・快楽主義をさらに助長してしまいます。そして日本はさらに、ガラの悪い、下品な国民性になってしまうでしょう。
アメリカやフランスの一等地を買い、大手企業を買えれば、それでよいのでしょうか?中国人が日本の土地や大手企業を買うとき、私たちはどう感じるでしょうか?
ヨーロッパ人はなぜ、先進国民として安定している?
ヨーロッパ人と日本人の違いはどこにあるのでしょうか?
ヨーロッパ人も、経済の発展に夢中になりました。工業の発展にも夢中になりました。その点では日本と同じような経緯をたどっています。
しかし彼らは、途中で満足したのです。生活がそこそこ快適になり、華々しくなったとき、「経済的な発展はもういいよ」と考えたのです。
それからは、社会がより住みやすく、環境がより良くなるように取り組むようになったのです。
ヨーロッパ各国は資本主義ですが、社会主義的な考えを持って暮らしています。
日本に当てはめて考えるなら、こういう感じです。
1980年代、各家庭にテレビと冷蔵庫が当たり前に備わるようになった頃に、「経済や家電はもうこれでいいよ」と感じて、シフトチェンジできれば理想的でした。ヨーロッパ人は、1980年代の日本くらいの快適さで満足したのです。
ヨーロッパ人は、月収が30万円くらい得られるようになったら、もう満足したのです。月収40万円を得るために、働きまくろうとは考えませんでした。月収40万円を得るために、消費者大衆をだまそうとは考えませんでした。外食やショッピングは控えました。
月収30万円の経済力に達したら、ワークライフバランスを考え、その収入を保ちながら充分な休暇や休息がとれるように、社会を整えていきました。皆、そのために協力をしました。
月収30万円で充分な暮らしができるように、女性たちも積極的に社会進出をして、経済的に自立し、家計を支えました。
日本とヨーロッパ先進国の違いがどこにあるのか、それを理解している人はとても少ないです。
先進国である必要もないのです。
日本は、先進国の地位を保とうと必死です。
必死に残業して経済を回し、新たな人材を育成するためにますます授業数を増やし、塾に通わせ、軍隊のような教育をしています。
しかし、別に先進国の一員である必要もないのです。
中央ヨーロッパ、東ヨーロッパの国に旅行したことのある方は、気づかれたのではないでしょうか?
経済力がそこそこでも、炊飯器やエアコンに囲まれた便利な生活はできますし、街を美しく彩ることはできます。
たとえば私たちは、そこそこの品質の洗濯機を得るだけなら5万円で足ります。しかし、ドラム式の最新のものを欲しがるなら20万円かかります。
たとえば私たちは、そこそこの品質のエアコンを得るだけなら5万円で足ります。しかしスマートフォンと連動する多機能な最新のものを欲しがるなら20万円かかります。
こうした事実に気づいてください。そこそこの品質のもので満足するなら、お金はそんなにかかりません。半分以下で済みます。
お金がそんなにかからないなら、毎日のようにサービ残業をして月収40万円も稼ぐ必要はないのです。結婚相手に年収500万円の男性を選ぶ必要もないのです。
子供に「良い大学に入って正社員になりなさい」と叱責する必要もありません。
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