不登校に陥ったとき、「学校には行かなくても勉強はしなければ」と考える親子は多いです。
やがて大人になって労働するとき、学力がなくてはならない、とわかります。
しかし、労働できる大人になるために必要なのは、学力ばかりではありません。
コミュニケーション能力の低い不登校児が多い。
不登校や引きこもりの子には、コミュニケーション能力の低い子が多いです。
しかし、その社交性の低さに危機感を抱いていない親子が多いようで、それが問題です。
労働は、勉強が出来るだけでは務まりません。
お客さんとのコミュニケーション能力や、上司、同僚とのコミュニケーション能力がないと、仕事はできません。それがないと職場で叱られるでしょうし、いじめられたり孤独になったりします。そして仕事が続かないでしょう。
まずは無愛想を克服しましょう。
まず、無愛想であるならそれを克服すべきです。
あなたをいじめた人に対して無愛想であるのは、かまわないでしょう。必ずしも彼らと復縁する必要はないです。
しかし、あなたをいじめたわけでもない人々、優しい人々、あなたの家族などに対して、無愛想で居続けることはまったくよくありません!
アニメなどで、引きこもりの子が来客者に無愛想にする描写を見かけます。「すみません。うちの子、いじめに遭ったもので無愛想なんです」と親がかばったりしますが、そのかばいは正論とは言えないです。
「いじめられたから無愛想で仕方ない」ではなく、心の傷に配慮はしつつも、他の人々に対しての笑顔や思いやり、あいさつなどは、努力をさせるべきです。努力をするべきです。
酷いいじめを受けても、社会不信に陥っても、愛想を持つことは出来ます。無愛想を克服することはできます。
努力をする必要があります。心を開き、前を向く必要があります。
アニメの中の無愛想な引きこもりも、やがては誰かに心を開いて明るくなるでしょう。そのキッカケが不思議な魔法少女である必要はないのです。
会話する能力を磨きましょう。
引きこもりや不登校の長い子は、会話能力の低い子が多いです。低いことに気づいていないケースが多いようで、なおさら厄介です。
会話が自己中心的である。
主語と述語が明確でない。
視線を合わせない。
人の話を遮る。
話が長くてよくわからない。
論理的な言葉で話すが、内容が論理的でない(屁理屈が多い)。
不快なネットスラングが混じりすぎる(「くさ!」など)
本音を話さない。本音を隠すことが当たり前だと思っている。
人を見下したような話し方をする。
批判耐性が低すぎる。
注意されることへの耐性が低すぎる。
相づちが変。
会話が続かない。
このような欠点がよく見られます。引きこもり・不登校の子に対して、親は寛大すぎることが多く、子供の会話内容が幼稚でもそれを注意しない親が多いようです。だから自分の会話能力が低いことを自覚できず、直しもしていない子が多いです。
簡潔に言って、会話内容の不快な子が多いのです。すると、新しい場で友達を作ろうと思っても、不快感を与えてしまってすぐに嫌われてしまいます。「こいつらも幼稚だ!」と当人は思うのですが、自分が不快な会話をしてしまっていることに気づけていなかったりします。
仕事をしようとしても、失礼なことばかり言うので上司に疎まれます。上司に嫌われたり、辞めさせられます。
会話能力を磨くには、長い年月が必要。
会話能力を磨くことは、短期間ではできません。それは非常に長い年月が必要です。話し方講座などに通うことは意味がありますが、それだけでは解決しません。
友達とたくさんの会話を重ねる必要があります。チャットやLINEではなく、面と向かって会話を重ねる必要があります。そして友人たちに、「おまえ、何言ってるかわかんないよ」とか、「自己中だな!」とか、「虚勢を張るなよ」とか、少々強い口調で指摘される必要があるでしょう。そうでないと欠点に気づけず、直せないでしょう。
友達だけではなく、年下の子、部活の先輩、先生、先生ではない大人、など、様々な人種と様々なシチュエイションで会話を重ねる必要があります。
「目上の人に対してちょっと謙虚にならなければいけない」といったことを、無意識レベルで刷り込む必要があります。知識として「敬語を使うべき」などと知っていても、とっさにそれは出ないのです。
久しぶりに人と会うと、緊張をするでしょう。緊張するとなおさら、自分の会話をコントロールできずに失言が増えるでしょう。これは、場数を増やして慣れる必要があります。
言葉を多く知っていようとも、上手く話せないものです。メールでは上手く敬語を使いこなしているつもりでも、会話では上手く話せないものです。
不登校でも交流を持ったほうがよい。
そのため、不登校を選択するとしても、なんらかのグループに参加して人との交流機会を持ったほうがよいです。学童のようなものに参加したり、ガールスカウトに参加したり。
そして、人とたくさん交流すべきです。少々は批判されたり、からかわれたり、ケンカしたり、といったことも経験すべきです。
また、家の中で家族に対して甘え過ぎないことです。
家族に対して無愛想にしすぎない、偉そうな口を利かないように、気を付けましょう。あいさつをしたり、お礼を言ったり、冗談を言って笑わせたり、する努力をしましょう。
会話能力に自信がないなら、それを相手に伝え、謙虚になりましょう。
引きこもりの期間が長く、「会話能力が低い」という自覚がありますか?新たな場で誰かと交流するとき、事前にその旨をその人に伝えましょう。「僕、話すのがあまり上手じゃなくて迷惑をかけるかもしれないけど、ごめんね」と。そう事前に伝えれば、相手は寛大に接してくれるでしょう。
そして、人から会話について注意されたとき、それを謙虚に受け止めましょう。「あなたの会話は意味がわかりにくいわ」「あなたはちょっと言い訳がましい感じがするわ」「わー!とかえー!とか、リアクションがうるさすぎるわ」などと言われたとき、謙虚に受け止めましょう。あなたは、社会の標準的な会話を理解していない可能性が高いです。またはアニメの会話、ネット上の会話などが染みつきすぎてしまっている可能性が高いです。
不登校の期間が長い子はほとんどの場合、会話能力が低いです。そして、それを自覚できていません。そして労働に出ても人から嫌われたり苦労をしがちです。
それは、努力を継続して改善していかなければなりません。
期限を守る、などの時間感覚を身に付けましょう。
不登校の長い子は、「期限までに宿題を終えて提出する」といった体験に乏しい子が多いです。
または、「1時間のうちに絵を描いて提出する」といったことのペース配分の出来ない子が多いです。
自宅学習では「のんびり自分のペースでやればいいんだよ」と教わりますが、社会に出るとそうはいきません。
会社では、「雑でもいいから1分で終えて」と求められる物事が多いのですが、それがわからずにのんびりとテーブルを拭き続ける、というような子が多いものです。それではクビになってしまいます。
仕事では「早く正確に」が求められます。そうしたバランス感覚を掴む必要があります。
年下の子の面倒をみる、周りの子に気を配る。
不登校の長い子は、自分のことしか見えていない子が多いです。
しかし、それではやはり、新しい友達を作ることが難しいですし、仕事をするのが難しくなります。
年下の子に気を配って何かを教えたり手伝ったり、周りの子に気を配ってペースを合わせたり声を掛け合ったり、といった体験が、家庭では乏しくなりがちです。
部活のように上下関係のある場を適度に体験すべきです。習い事に通ったり、ガールスカウトに参加したり、などのことです。
「3年生になったら3年生(最上級生)なりの自覚を持つ」といった経験的学びが、必要なのです。
運動不足に陥りがち。
もう1つ、重要な事柄があります。
不登校の子は、運動不足に陥りがちです。筋力が低かったり、長時間活動する体力がないのです。
他の人々は、一日に10時間も外出をして、絶え間なく動き回っています。しかし不登校の子は家にこもりがちで、長時間歩き回る体力が乏しいのです。
すると、アルバイトをしようにもすぐにへこたれてしまいます。旅行してもすぐに疲れてしまいます。ちょっとした外出でもすぐに疲れてしまいます。
そのため、意識的に体を動かす習慣を作るべきです。これは数分の筋トレでは不充分で、長い時間外に出て、歩き回るようなことが必要です。そうでないと、持久的な筋力は鍛えられません。
これはなかなか手ごわい問題で、相当意識的な努力を必要とするでしょう。
あなたの握力が低いのは、ぞうきんを絞ったことがないからではないですか?
学校は、勉強をするためだけの場ではないのです。
学校に行かなくてもよいのですが、学校で皆が培っているはずの能力を、自力で色々と磨いていかなければなりません。
管理人様が不登校支援の情報サイトを執筆しているのをご存じでしょうか?
不登校向けの情報メディアは数多くありますが、学力の問題にしか触れていない視野の狭いものばかりです。だから管理人様は、独自の観点で不登校支援サイトを執筆します。不登校を選ぶなら選ぶで、学力だけでなくもっと幅広い視点から、独学をしていく必要があります。
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